勝てるベッターと負けるベッターの違いは? | ベッティング戦略

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　一方では、国立大学は法人化後、大変厳しい財政状態に今日至っておりまして、それに加えて、平成27年10月6日の財政制度等審議会において財務省から、第３期中期目標期間に向けて、一つは学校教職員の定数削減、もう一つは国立大学の運営費交付金をさらに切り下げていき、自己収入と同じ比率にしていきたいということが公表されました。そこで早速翌日に国立大学協会から会長名で声明を出し、続けて中央教育審議会の方からも緊急声明が出されました。11月に入ってから、日本教育大学協会からも会長名で、こちらは特に学校教員養成に関わる立場から、学校教職員定数削減は学校現場が大変厳しくなるということについて、加えて運営費交付金を切り下げるよりはむしろ充実していただきたいという声明を出したところでございます。 　そういった諸々の動きを含めまして、一つは、京都にある国立大学として地域との連携をどのように図ればよいのかということ、二つには、幼・小・中・高・特別支援という学校教員にいろいろなことが求められてくる状況で、教員養成大学としてどういうことが必要かということなど、今後本学に期待されることについて、お話をお聞かせいただきたいと思います。 門川市長（以下、門川）：素晴らしい機会をいただきまして、ありがとうございます。 　 地域との連携について 位藤：最初の国立大学と地域との連携ということにつきまして、いろんな学部を持っている大学でしたら、産業界との提携ができるのですが、私どもの大学は、分野としてはいろいろございますが、大学全体としては教育に特化しておりますので、そういった面での連携を図っていくのが一番いいのかなと判断しているのですが、いかがなものでしょうか。 門川：京都の教育は、明治９年師範学校創設以来、京都教育大学と学校現場、教育委員会との連携の賜物です。私自身も今まで京都で育てていただき、師範学校を出られた先生から小学校中学校の時に教えていただき、その先生のお顔や原点とでもいうような言葉が今でも思い起こされます。 　そして、教育委員会で30数年働かせていただいておりましたが、そこで、京都市の場合はありがたいことに、私の教育委員会の総務部長時代に119の教員の研究会組織があり、その研究会を、総合教育センターで夜９時まで、土・日も開いていて、そこに専門性が高くかつ熱意あふれる先生方が任意でどんどん来られて活動されていた。研究会と教育大学との連携も進んでいました。また、日本で最初に、カリキュラム開発支援センターというのを作り、学校現場の実践に裏付けされたカリキュラムをどんどん集めたところ、教育実習の前に学生さんがそれを見に来られるようになった。こういうことでも連携が深まる。つまり、教員養成機関としての教育大学の教育実践研究と、学校現場の実践と、現職教員の研修と、さらに研究開発が非常に有機的に繋がっています。創造的な活動ができると思います。その上に、私は、大学できちっと専門を学ぶことと同時に、学生の時から、地域で、さらに学校現場で学ぶことが大事だと思っていますので、ボランティア協定を結ばせていただいております。今聞くと、登録者2000人のうち、290人ぐらいが京都教育大学の学生です。 　そして、包括協定を結ばせていただき、さらには連合教職大学院（京都の７私立大学と府・市教育委員会との連合で構成される教職大学院）での連携もある。これは、日本初の取組でした。当時、現職教員の再教育が大事だとか、教職大学院が大事だという時に、一つの大学でできなかったら、近隣府県の教育大学同士が連携してという議論もありました。幸い京都には教員養成をされる私立大学がたくさんあり、一緒にやられたらどうでしょうという議論が高まってできた。そういうさまざまな面で連携して、現場のミドルリーダーも養成できている。全国最先端かつトップ水準の連携が深まっているのではないかと思います。 位藤：ありがとうございます。 門川：こんなことを言ったことがあるのですが、教育大学の学生さんが附属の学校で教育実習をすると､教師になる自信がつく。というのは、学ぶ意欲のある児童生徒、教育に関心の高い保護者、そこで教えたら反応がいい。さあ、教師になろうという気になる。ところが、公立の学校、地域の学校へ行くと､いろんな保護者がいる、いろんな子どもがいる。そこで、自信を失ってしまう。だから、教育大学の附属学校で教育実習をするのも大いに結構。そこで専門性を高めて自信を持ってほしい。同時に、多様な子ども、多様な保護者のいるさまざまな地域に出て行って、そこで自分を磨き、そして人間力を高める。それが教師として一番大事なことということを話して、多くの学生さんを現場に送ってもらった。そうするとやっぱり現場からよかったということを聞いていますね。 位藤：そうですか。 門川：それにプラスして、教師塾というのを創り出しまして、今年10期生が学んでいます。１人の塾生に、１人の現場の優秀な先生が付くような感じで、大いに盗めと。昔の職人さんの世界では教えをというよりも盗めというのがありました。 位藤：はい、ありました。 門川：教育大学のすばらしい先生方の指導力、熱意あふれる現場の先生の力を浴び積み上げていたかと思います。この20年ほどで、京都市の教育、教職員のモチベーションが高まり、指導力が高まり、さらに地域・ＰＴＡとの連携が高まり、学校がどんどん進化して、あらゆる意味で向上して、教育再生のモデルという評価を得、私も内閣の教育再生会議や教育再生実行会議、あるいは中央教育審議会等の委員をさせていただいております。京都市の現場の先生方も参画されています。この原動力の大きな一つに、現場と教育大学との連携、教育委員会との連携があったのは事実ですし、さらに深めていただきたいと思います。 位藤：ありがとうございます。 門川：財務省案の学校教職員の定数を減らすということは言語道断です。家庭の経済力の格差、教育の格差、地域の様々な課題、社会の病理現象といえるそんな問題から、発達上の課題を抱える子ども、それに対する最高の知見を生かした指導をしていくというときに、教職員の人数は非常に大事でしてね、それを削減するとか、機械的に国立大学法人の予算を削減していくということは大変な問題です。国に対して、私自身も引き続き要望活動をしてまいりたいと思っています。 位藤：ありがとうございます。　地域との関わりという意味では、大阪、奈良との三教育大学で、教員養成・研修高度化拠点事業として、各大学に独自のセンターを設置しており、本学では、教職キャリア高度化センターを設置しています。本学は、ミッションの再定義において、「地域密接」型といいながら、戦後、学生が全国から集まるようになって、卒業（修了）後、京都地域に教員として採用され勤める数が多くないため、本学出身者に限らず、京都地域の現職の先生を対象に、大学院で学びたくても容易でない先生方の研鑽支援をすることを目的として、取組を始めたところです。これからもっと充実させていきたいと考えています。 門川：他府県が何割ぐらいでしょうか。 位藤：京都府・市併せて３割、京都以外の近畿圏で３割、残りが全国からです。　以前、東北のある県で２人教員に採用されたうち、１人が本学出身者ということがありました。本学出身者の各県での採用数が少なくても、いろんな地域から来るというのは、ある意味いいことだと思うのですが。 門川：大いにいいですよ。私が教育長で教師塾を創設したとき、日本中で教師塾ができたんです。あちこちに。そして、そこの採用試験を受けることを義務づけるんです。実質、青田買いですね。私のところは、来る者拒まずでした。受講料１万円と保険料だけで、現場の先生にも教育委員会、総合教育センターにもものすごく負担なんですけどね。それで、多くがふるさとの教師になっていきました。四国から九州から東北から京都の大学、京都は大学のまち、日本中から大学生が京都で学ぼうと来られる。京都の歴史から、京都の文化力から、人間力から学ぼうと。その人たちを京都に閉じ込めるまちではないのです。ふるさとに帰って頑張りたい、大いに結構。京都市の教育実践に、京都の歴史や文化に学びながらどんどんふるさとに帰ってください。こういうことでやってきました。逆に、ふるさとでリーダーになっている人にどんどん来てもらう。そういうのを、タライの水と言ってましてね。水を向こうへやると、また、手元に戻ってくる。どうぞどうぞ全国で活躍してくださいと言っていたら、意外と皆さん戻ってこられました。 位藤：いろいろないいものを吸収して、また京都で活躍するということですね。 門川：そうです、京都で活躍する。　京都市版の地方創生で総合戦略をつくるときに、いろいろな団体と話しました。大学コンソーシアム京都の大学の方とも話し合いをさせていただいたときに、東京の大学に行ったらふるさとに帰ってこないが、京都の大学に行ったら、ふるさとに戻ってくる、これを一つの売りにしようという話がありました。国は、急速に進む人口減少に歯止めをかけ、東京圏への人口集中を是正し、地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持しようと、「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、取り組みの指針となる「まち・ひと・しごと総合戦略」を定められた。それに対して、京都市は「こころ」の創生をしようと。人口減少、東京一極集中、これを是正しなくてはいけない。一人一人の生き方というのがあって、行政とか政治主導でできない。そこで市民みんなで考えようということで、いろんな意見を出したとき、「こころの創生」―京都に伝わる日本人の心、先祖を敬い、子孫に、未来に心を継ぐ。同時に、今を生きるには自然と共生し、家族や地域社会との絆を大事によりよく生きていくために、心を重ね努力する。そういう「こころの創生」が大事だということで、「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」になった。そのときに、大学の学長さんが、京都の大学に行ったら､ふるさとを思い、ふるさとに帰るといわれ、これはいい話でしてね。京都市と大学コンソーシアム京都では、大学と地域との連携、「学まちコラボ」を10年以上前から支援しています。京都教育大学も伏見の地域と一緒になっていろいろな取組をされている。あるいは商店街と、あるいは老人福祉施設と一緒に取り組む。そういった経験をした学生さんは、東京の有名な名前の通った企業に行きたいというよりも、ふるさとに帰りたいという思いが比較的多くなるのではないでしょうか。 　 これからの教育に求められるもの 位藤：今の学校にもいろいろな教育の問題がありますが、これからの学校教育にいろいろなことが要請されてくると思われます。専門に関わることはこれからも大事だと思いますが、そういったことを超えた､人間関係の在り方にかかるような問題等がでてきているのではないでしょうか。教員の資質能力というときに、今までにないものがたくさん学校現場で求められていると思うのですが。 門川：今回も新しい教育課程を作るというので中央教育審議会の教育部会の委員として、また教育再生実行会議の時にも申し上げたのですが、結局、今の子どもの教育、何が問題かというと、学齢期の学びと社会に出てからの活動と、学びの縦軸というのが繋がっていない。学齢期に学んだことが社会に出たときに生かされていない、生きた力になっていないということと、学校で学んでいることが社会生活や家庭生活と繋がっていない、それを何とか繋げていくための取組が大事だし、横軸とでもいいますか、そうした視点からの教育課程、指導形態、いろいろなものの見直しが大事だと思います。今、その根底には、家庭の教育力、地域の教育力の低下があって、この京都においても厳しいものがあります。逆に言うと、学校が、教師が何とか頑張っているから、そして心ある保護者・地域の方々が頑張っているから、今の日本が成り立っているなということです。学校の教職員にますます負担がかかってくるような状況だと思います。 　そういう現実に目を向けた時に、広く社会のことを知って、そこに参画していただけるような教師でなければならない。同時に、一人一人の子どもの未来を展望してみる、日本の社会が、あるいは世界が先々どうなるのか、教師自身も考えてみる。 　こんな話を聞いたのですが、教えている子ども―小学校１年生、６歳―は、これから100年生きるんです。100年超えた時、どんな社会になっても生きていける人間に育てておかなければならない。それくらいの展望が必要ですね。大変なことです。 　そういう意味では、教育大学の学生さんも先生も含めて、大学の中にこもらずにどんどん外へ出てもらって、化学反応を起こしてもらいながらご活躍いただくことが、学生さんにとっても教育大学にとっても、また地域社会にとっても学校現場にとってもプラスになり、創造的な発展をすると思います。より進化させたいですね。 位藤：大学コンソーシアム京都もそうですね。日本で早い時期に作っています。京都市独自の事業も展開されていますし、京都学生祭典もあります。本学の学生には、できれば２回生くらいのときに積極的に参加してほしいと言っているのですが。 門川：第12回京都学生祭典実行委員会の1000人ぐらいの組織のトップが、京都教育大学の学生ではなかったでしょうか。 位藤：はい、本学の男子学生がやっていました。本学から参加する学生は少ないのですが、その学生はずっと続けていて頑張ったようです。 門川：ぜひ京都市の先生になってほしい。　正直言いまして、学校で選挙制度が、民主主義が大事ということを一生懸命教え続けてきていますが、若者の投票率がずっと下がっています。今、京都は、いろいろな消費者問題があって、消費者に対する悪徳商法の新しいものが出てきていて、賢い消費者になりましょうということがあります。この時ターゲットとして一番狙われるのがお年寄りと学生なんです。だから、お年寄り対策と学生対策が必要になります。そこで、学生さんにその取組にボランティアで参画してもらうんです。そうするとものすごく効果が出るんです。そういう学生さんが学んで、お年寄りが悪徳商法の被害者にならないような取組をすると、一石二鳥といいますか、三鳥といいますか、こういう取組も京都市の消費生活総合センターでやっています。 位藤：それは知りませんでした。 門川：そういうことです。今、安心安全社会を作っていこうとしています。いろんな犯罪から学生さんを守るという取組も大事ですけれども、例えば学生消防サポーターというのがあるんですが、学生さんに警察や役所などと連携したボランティアをやってもらうと、学生さんの学びになり、また地域社会への貢献になり、人としてのいろいろな、大学で学べなかったことや家庭で学べなかったことを学ぶことになる。これがうまくできたときに、そこが京都の強みになります。 位藤：そういう中で、学生の意識が開発され育っていくんですね。 門川：はい、そうですね。 　 後編へ続く ▲ページの先頭へ 受験生の方 本学で学びたい方 在学生の方 卒業生の方 保護者の方 教育関係者の方 企業の方 地域・一般の方 大学の紹介 学長からのメッセージ 大学概要 沿革 教育・研究目的 声明 学長と有識者との対談等 法人運営・法人組織 中期目標・計画及び年度計画 教育情報の公表 ミッションの再定義 広報 栄誉・その他 キャンパススケジュール 同窓会 学部・大学院 教育学部 大学院連合教職実践研究科 特別支援教育特別専攻科 入試情報 本学が求める学生 学部入試 大学院入試 専攻科入試 合格発表 資料請求 過去問題の閲覧について キャンパス見学 入試説明会 入試情報携帯電話サイト 入学手続き 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